北海道大学教授の櫻井義秀先生らの学術発表について

日本宗教学会第83回学術大会(2024年9月14日、天理大学 杣之内キャンパス)にて、当弁護団で行ったいわゆる「エホバの証人調査」を監修いただいた北海道大学教授の櫻井義秀先生らの学術発表が行われましたので報告致します。

研究報告タイトル

エホバの証人-宗教家族の困難- 代表者:櫻井 義秀先生(北海道大学)

ご講演タイトル

宗教家族-信仰の継承か選択か- 櫻井 義秀先生(北海道大学)

日本の教団成長の見取り図から 山口 瑞穂先生(佛教大学)

「子ども」として生きる困難 猪瀬 優理先生(龍谷大学)

家庭での信仰教育および実践がメンタルヘルスに及ぼす影響 清水 香基先生(北海道大学)

 

当弁護団からは山崎創生弁護士、中村大介弁理士が参加しました。両名からの参加報告は以下の通りです。

山崎創生弁護士の参加報告

当弁護団調査は、エホバの証人2世の経験の取りまとめと、それらの経験と教団の関わりを調査したものでしたが、これらの弁護団による分析が、学術的に裏付け可能な内容なのかについての検討は、時間的制約や弁護団の人員の特性上、困難な状況でした。今回、櫻井先生はじめ学者の先生方からの研究報告を通じ、教団によるエホバの証人2世への支配的特性について、歴史的経緯や社会学的な分析を知ることができ、当弁護団を含むエホバの証人2世を支援する団体の活動にとっても大変意義深いものでした。

 中村大介弁理士の参加報告

宗教による児童虐待防止・人権侵害防止をするためには対象となる宗教の理解が必要不可欠なところ、教団規模が比較的大きいにも関わらず可視化が十分ではなかったエホバの証人に焦点が当てられた非常に意義深い研究成果だと思われました。特に、エホバの証人の家族関係のもと行われる宗教二世の信仰生活が、メンタルヘルスに負の影響があることが定量的に分かったことは大変意義深く、今後の児童虐待に対する施策を検討する上で必要不可欠な調査になると感じました。

エホバの証人信者への迫害・ヘイトはしないようにお願い申し上げます。 

文責:山崎、中村