こども家庭庁、文部科学省への要望書提出

当弁護団のメンバーが、こども家庭庁、文部科学省に要望書を提出しました。

要望書のファイル

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要望の趣旨

背景

2022年12月27日に厚生労働省様(現こども家庭庁様)が「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A(以下「宗教虐待Q&A」と言います)」を発出されました。宗教虐待Q&Aは宗教二世を救う画期的な内容であり、被害を防止する上で極めて重要だと考えております。

一方、「宗教虐待」とされる行為が多種多様であり、相互に関連性があるものの全体像の把握が困難であること等から、保護現場での活用しやすさを改善する余地があると思われます。

現状

1.こども家庭庁様による調査「保護者による宗教の信仰等に起因する児童虐待に関する調査研究報告書 令和5年度 子ども・子育て⽀援等推進調査研究事業」で、自治体に宗教虐待Q&Aの周知状況を調査したところ、約81%が「周知していない」と回答しました。個々の支援者は自助努力で宗教虐待Q&Aの存在を知っていると思われますが、内容を熟知した支援者を増やすことや、宗教虐待Q&Aを反映したマニュアルがあるなど、利用可能な支援現場を増やす余地があると思われます。

2.「学校・教育委員会等向け 虐待対応の手引き 文部科学省 令和2年6月改訂版(以下、「学校向け手引き」と言います)」は学校で虐待と疑わしき事案に対応するのに重要なガイドラインとして利用されていると思われますが、この学校向け手引きには、宗教虐待Q&Aのことは未反映です。反映して現場で活用可能にする余地があると考えております。

3.「児童虐待に係る児童相談所と市町村の共通リスクアセスメントツールについて 厚生労働省 平成29年3月31日(以下、「児相・市町村リスクアセスメントツール」と言います)」は、虐待と疑わしき事案に対応するのに重要なガイドラインとして利用されていると思われますが、児童相談所及び市町村で宗教虐待Q&Aのことは未反映です。反映して現場で活用可能にする余地があると考えております。

ご要望

1.文部科学省様へのご要望

子ども家庭庁様と協議の上で、学校向け手引きなどの学校や教育委員会でよく利用されるガイドラインに宗教虐待Q&Aを反映していただき、広く支援者や支援現場で利用可能にしていただくことを要望させていただきます。

2.こども家庭庁様へのご要望

文部科学省様と協議の上で、児相・市町村リスクアセスメントツールなどの支援現場でよく利用されるガイドラインに宗教虐待Q&Aを反映していただき、広く支援者や支援現場で利用可能にしていただくことを要望させていただきます。